私たちのこれまで(金丸視点)
ここまでサンバに向けて荏原高校やサンバの先生、共生に向けた形が出来て来ているので俺も頑張らねば。
10月10日夜、はせさんずの榎さんとラッコの大窪さんと飲みに行く予定があり
障がいの生徒達を集う為協賛の話しを持ちかけた。
コンセプトから説明するため資料を見てもらい主旨を説明。
金丸「率直な意見を聞かせてほしい。」
榎「壮大ですね。」
大窪「改善するところはあるとは思いますが、とても良いと思いますよ。」
金丸は心のなかで思った。
「なら協力してくれと。」
お酒を頼んだ。
金丸「ビール」
榎「ビール」
大窪「ビール」
金丸は思った。
「協調性があるな。」
そしてビールを半分くらい飲んだときに
金丸は言った。
金丸「はせさんずさんとラッコさん絡めそうですか。」
榎「んー。うちは難しいかもしれませんね。」
大窪「企画としてはとても良いと思いますよ。こういう話なら園や施設に話しを持ちかけたらいかがですか。そこで実行委員を集ったりしたら負担なく形が出来やすいと思います。」
金丸は心のなかで思った。
「まさか断られているのか...」
そこで金丸は少し踏み込んだ。
金丸「事業所としてではなく一人の支援者として聞きます。この話しは聞いてみて絡みたいと思いますか。」
榎「...」
そこをすかさず大窪は金丸に話しをしてきた。
大窪「企画としてはとても良いと思いますので、障がいの子達が選抜制ではなく呼んだ子達皆が出来なくても参加させてもらえるなら声をかけます。」
榎「そうですね。それなら声をかけられますね!」
金丸「決まりではなく企画なのでその件につきましては者に持ち帰らせていただき改善する形でしたらまたお話ししますね!」と伝えた。
時間になりお店を出て途中まで大窪さんと帰ってから別れたあとふと思った。
金丸は心のなかでつぶやく。
「反省点はたくさんあった。収穫もたくさんあった。あとはどう生かすかだと」
金丸に立ち止まる時間などない。
前途多難かもしれない。
高ければ高い壁の方が昇った時気持ちいいもんな。
ふと頭のなかにミスチルの歌が流れていた。
そして金丸の目には光るものがあった。
これはけして涙ではない。と思いたかったが涙だった。
改めて前向きに一歩一歩前進していこうと心に決めた1日だった。
10月11日
余談だが何故か朝から慌ただしい。
だからと言って忙しいわけではない。
同じ事を2、3度繰り返して時間があっという間に過ぎている。
今日はサンバの協賛に向けて各事業者の方々と話す機会があった。
それは本題で呼んで頂けたら幸いである。
その中でいつもお世話になっている紅の石川さんに以前電話で伝えているものの改めて
日程調整のため連絡をした。
金丸「今お電話大丈夫ですか。」
社会人として当たり前のお決まりの文句から始まる。
石川「大丈夫ですよ。」
これも想定内の答えであるが、たまに今忙しいのでと断られる事も想定していないといけない。今回はどんでん返しはないようだ。
金丸「以前話をしていた健常者と障がい者のサンバの話で電話しました。」
石川「はい。」
また一度これまでの経緯と流れを説明した。
石川「はい。」
金丸「そこで事業者と事業者で力を合わせて一つの形を作りたいんです。」
石川「はい。」
来週約束をして電話を切る。
皆さんはお気付きだろうか。
彼は「はい。」としか話をしていない。
しかしその「はい。」でも強弱があり物静かな男だが、彼にはいつも魂(ソウル)を感じる。
背中で語るというのは男らしいと昔の感覚では感じたが彼は「はい。」で男を感じさせる男だ。
来週会うのが楽しみである。
10月12日
14時からアポを取っている睦月会の生活実習所の深堀さんに会う。
仕事でも繋がりがある菅原を連れて行った。
深堀さんの話では本日もしかしたら所長も会談に参加できるかもとの話であったが、残念ながら難しいという答えであった。
深堀「すみません。今日所長は残念なのですが、時間が合わず話し合いに参加できないんです。」との答えに金丸は即座に思った。
「非常に残念だと。」
しかし今回急に話し合いの場に対応してくださるだけでもありがたい。
感謝である。
深堀さんには電話でざっとしか伝えていないのでパワーポイントを使い説明をする。
金丸「率直な感想を聞かせてほしい。」
深堀「とても良いと思いますよ。」
そこで前回の話しで大窪さんの意見を参考にというか全てを使わせてもらった。
金丸「今回の主旨である健常者と障がい者のコラボイベントは形が出来ている。後はどう生徒達を募集していくかなんです。事業所と事業所が手を取り合うのはもちろんなのですが、受け持ちの数が少なく軽度の方に限られるとなるとほとんどの事業所が難しい。そこで、睦月会や幸陽会、育成会などで実行委員会を作り大田区全ての集大成にならないといけない。もう後戻りは出来ないんです。俺を男にしてください。」
とお願いをした。
深堀「睦月会としては生活介護なので動ける方がそもそも少ない。就労bの幸陽会などは参加される方が多いのでは。」
との回答。
以前であればガックリしてしまうが、
同じ失敗は繰り返せない。
頑張れ金丸。
金丸のなかでドラゴンクエストのレベルアップの音が聞こえるようであった。
「チャラチャラチャッチャッチャーン」と。
金丸は感情論を唱えた。
金丸「自分は障がいの仕事をさせて頂いて彼らから沢山の優しさや思い、未知なる可能性を感じています。今までのイベントで疑心から確信に変わりました。では自分がすべき事はなんだろうか。ラシクの栗田さんは本質の中身を変えようと制度や体制などに彼らの居場所、家族の居場所に寝る間も惜しんで頑張っています。では私たちは彼らに達成感を味わってもらいたい。それに伴う努力や辛さを乗り越えて成長していくサポートをしたい。他の事業所がもしこういう事を作り上げているのであれば喜んで協力したいです。でも現状ないのであれば私たちがやるしかないですよね。だから協力して欲しいんです。」
そこで横を見ると菅原が座っている。
彼はまだ一言も言葉を発していない。
いつも通りどっしり構える頼もしい奴だ。
深堀「思いは分かります。今回の主旨でその思いに協賛してくださるところは沢山あると思う。大田区の支援学校なども声をかけられたらいかがですか。
ボランティアスタッフの要請は工学院なども提供出来るのでないでしょうか。
協賛金についても大企業では福祉に協力的な会社が多いので出資も募れると思います。あと、その会場までくるまで家族が対応するという形だとしたら人数も限られてくると思いますので、障がい者一人に健常者一人が対応出来る形を作れたらいいと思いますね。」
さすがは深堀さんである。
今後を見据えるアドバイスはとてもありがたい。
だが私の求めてるのはアドバイスではなく協力者なのだ。
そこで機を救おうと菅原が初めて言葉を放った。
菅原「彼らの交通手段ならバンやハイエースなど車で対応したら問題解決になるんじゃないでしょうか。」
金丸「......」
深堀「......」
菅原「......」
一瞬の沈黙が続く。
金丸は心のなかで思った。
金丸「俺のために助け船出したんだよな。ありがとう。」
結果云々よりその思いが大事なのである。
人には感謝を忘れてはいけないと改めて感じさせる一言であった。
そこでこの話しは終わらせるわけにはいかない。
必ず商談にはお土産を持って帰るのが原則だからだ。
金丸「ありがとうございます。今後の活動に生かさせていただきます。ここからは会社としての意見ではなく深堀さんの意見を聞きたい。」
我ながら恥ずかしげもなく言い切るところが私が私を好きな所以である。
深堀「私個人の意見はとても良いと思いますよ。本当ならじっくり本腰を入れて絡みたい。でも相談支援の持ち件数が130件越えており今日も19時から面談があるんです。今回の件は私はアドバイスしかお手伝い出来ないかもしれませんが睦月会として今回の話しをあげます。」
その時金丸は誠意を持って答えてくれた深堀さんにはとても感謝をしている。
もし男だったら親友になれるのではないかと思う位嬉しかった。
今後の動きがあったときに連絡を適宜して頂ける約束をして会談は終わった。
改めて関わって頂いている全ての人に感謝を伝えたい。
ヒントや誠意を持った対応をして下さりありがとうございます。
あと、健太よ。いつもありがとう!
結果は良い結果とは言えなかったかもしれないが、最低限の成果はあったと思う。
そういい聞かせ自分をなぐさめながら
自転車を漕ぐ金丸であった。
そこから1時間程時間が経過した頃であろうか、仕事の件ではせさんずの内海さんから連絡があった。
はせさんずの内海さんと言えば、
はせさんずで障がいの最高責任者である。
昔の話しをさせてもらうと、はせさんずから仕事を教えてもらい今の基盤を作って頂いた恩師でもある。
仕事の話が終わり本題の話を聞こうと金丸は聞いてみることにした。
金丸「先日榎さんにお渡しした資料目を通してもらえましたか。」
内海「本当に素晴らしいですね。金丸さんの考え方には感服します。」
このまま話しを進めても良かったのだが、元々吉野の案で話が進んでいるので
人の手柄を横取りするような卑怯な男にはなりたくない。
金丸「元々この構想は吉野の案で地盤が固まってるんですよ。私も障がい者で大田区でやらせてもらっていて自分もこういう形を作って行きたいと思いがあり吉野と一緒に舵取りをしているんです。」
と伝えた。
先ほどは手柄を横取りするような卑怯な男と伝えたがなかなか卑怯な男であると認識している。
金丸「そこで事業所と事業所が力を合わせ手を取り合って一つの形にしないといけない。一緒に協力してやっていきませんか。」
内海「もちろんですよ。協力します!」
ん?いつもと反応が違う。
内海さんはとても人格者なのは言うまでもないが、保守的な方のイメージである。
これまでに書かせてもらって分かる通り良い返答が得られていない自分としては想定外である。
ここは何としてでも形にしたい。
金丸「今度じっくり話しをさせて頂きたいので会いに行きます。」
内海「是非聞かせてもらいたい。全面的に協力したいので。」
と思いもよらない嬉しい回答があり、
次回のお約束をして電話を切った。
前回は健太に頼って商談の場に来てもらったが、次回から一人で行こうと思う。
私はいつも人に頼ってしまうところがある。
時と場合によっては良いとは思うが、
時には向き合って解決しないと自分の成長を止めてしまう事に直結する。
甘えを捨てなければと、時には心に決めて臨まないといけない。
「健太、いつか一緒に商談しにいこうな!」
そうつぶやき空を見上げたら私の心を察するかのような曇り空であった。
金丸 番外編
「正明、苦悩編」
正明は悩んでいた・・・・
声掛ける人、声掛ける人、みんなに断られているからだ!
正明:「今回の企画はとてもいいものなのに、何故みんなに断られてるのか?・・・・
まさか、俺が嫌われているからなのか・・?
だから、娘が洗濯物を一緒に洗うのを嫌うのか・・・・」
「俺って一体・・・・」
菅原:「どんまい」
児玉:「私はいいと思います」
吉野:「・・・・・・」
吉野は考えていた。
「ピザーラお届けなのか・・・pizza-laお届けなのか?」と。
正明:「力不足ですいません」
真っ直ぐ謙虚な男、それが正明!!
正明はこの状況を打破する為、迷走の旅に徒歩でデッパツした・・・
意外と歩くのが早い正明!
気付くと、そこは静岡県。
静岡県といえば、外国人観光客が日本を観光する時に多用する道順である通称「ゴールデンルート」の中間に位置し、休憩以外に立ち寄る理由がないと思われたいた県である。
※ゴールデンルートとは『東京 → 大阪・奈良 → 京都』という観光ルートのことを指す。
正明:「何故、俺は静岡まで来てしまったのか・・・?」
無我夢中で歩く正明・・・・
保険屋時代、エリート街道を走っていた正明。初の挫折を味わったわけだが、 静岡放浪で原点に戻った正明は、帰郷後、自己分析とキャリアの棚卸しを徹底的に行った。今まで自分は「正明」としてどういう経験を積んできたのか、今一番やりたいことは何か、そして5年後10年後どうなっていたいのか、などなど、徹底的に考え抜き、思いつく限りノートに書き起こした。その自己分析ノートは1冊半ほどになった。
しかしやればやるほど収拾がつかなくなり、答えはなかなか出てこなかった。
次回
正明、更なる迷走へ・・・
転職も考え出す正明。
正明「嫁も子供もいるのにどうすればいいのか・・・?」
なかなか結論の出ない自己分析作業と平行して、求人検索や大手人材バンクへの登録など、実際の転職活動も開始していた。しかし、なかなかピンとくるものはなかった。特に大手人材バンクの対応には不信感を抱かざるをえなかった。
正明:「大手は不信感しかない・・・・」
大手人材バンクに見切りをつけた正明さん40は直接、企業の求人に応募。すると3社から内定通知が届いた。ここで正明さんの転職活動も終わると思われたが、そうはならなかった 。
正明は葛藤していた・・・
正明:「俺のやりたいことはここにはない。障がい者を救いたいんだ!」
そして、再び障がい者支援の世界に戻ってきた・・・
菅原:「何やってたんですか?」
児玉:「待ってたわよ」
吉野:「八つ橋のチョコレート味はうまい」
そして、再び吉野ヘルパーステーションの移動支援責任者に就任した。
続く
次回、正明躍動編へ
正明躍動編
正明は生まれ変わった!
正明:「俺は今までとは違う!」
が、まだまだ世間からは嫌われている。
しかし、そんなことを微塵も感じさせない。
明るく正しい男、それが正明!!
世間の目は冷たく、コンプライアンス的にも微妙だが、躍進する正明!!
熱意が伝わり、「ラシクの実」栗田さん、「はせさんず」内海さんと次々に賛同者が増えていき、正明に発信力がついた!
しかし、人生は山あり谷あり
俺は谷あり谷あり・・・・
正明、再び傷心編
正明は悩み傷付いていた・・・・
正明:「何故、俺はいつも怒られてしまうのか・・・・」
「移動支援責任者としても、イベント障害部門責任者としてもこのままでは難しい・・・」
「娘も最近冷たいし・・・」
正明は自分を見つめ直す為に家を飛び出した。
気が付くと、そこはパリだった!
正明はぐったりした気持ちのまま出国していたのだ!
課題を自分に出して、ホテルに引きこもることの無いようにした。
1.バラの花を買う、部屋に飾る。
2.ロワール地方へ行く。
3.カフェに入る。
なぜバラの花を買って部屋に飾るのかって。
青のバラを飾り花言葉である「神の祝福」を手に入れようとしている。
もはや自分では解決できないので神頼みしかないだろー!
誰か助けてくれ。
渾身の願いを込めつつパリで大声で叫んだ。
辺りは静けさのなか叫んだせいで隣の住人から通報され国外に追放されそうになったがそこはなんとか気合いで乗りきった。
「屁のつっぱりはいらんですよ。」
あー、次になぜノワール地方へ行きたいのかだって。
私はレオナルド.ダ.ヴィンチに憧れている。
それはなぜなら彼は「天才」だからだ。
少しでも彼の爪の垢を飲みたいと思ったからだ。
神よー。助けてくれーーー!
あとそうそうカフェにも入りたい。
生まれてこのかた一人でカフェに入ったことがない。
原宿のカフェでパリジャン(パリの男性)を見たときに
オープンテラスで飲みたいと出来たらパリジェン見たくかっこよく飲みたいと思っていた。
パリに来たらテラスデビューしようと思っていたのだ。
ただカフェに入るのは敷居が高いようだ。
何故なら容姿が伴わないからだ...
神よー。産まれ変わらしてくれー。
傷心を癒す旅がますます傷心したのは言うまでもない。
ジャカルタ編に続く。
ジャカルタに行こうと税関に向かう。
そうするとなにやら税関が英語で語ってきた。
税関「ペラペラぺーら」
何を言ってるか分からない。
よく見るとパスポートに指を指していた。
期限が切れているようだ...
慌ててオッケー、オッケーを伝えた。
当初戸惑ったが冷静さが大事だからなー。
ジャカルタ行きたかったなー。
ジャカルタは家にヘルパーさんが多く
日本よりメジャーである。
ヘルパー三人雇い、私一人。
傷心で傷付いてる私としては現実逃避をして夢の生活が送りたかったのである。
それだけ傷付いてるのである。
深手である。
でも入国出来ず日本に戻る事にした。
残念である。
日本編に続く。
10/18
今日は昨日と同じく朝は寒い。
まだ10月というのに冬服を着込み支援に出かける。
雨は降ってなかったが、冬服で正解だったみたいだ。
今日は紅の石川さんとお会いする日。
サンバに向けて各々動いているなかで
私だけ中々結果が出ず焦っている。
結果を出さなければいくら動いてもやらないのと同じだ。
結果が全てであるのは私が保険屋の時に痛いほど味わった。
「結果が全てである。」
焦れば焦るほどいい結果にならないのはそうかもしれないがもがいて這い上がるしかないのも事実である。
「前向きに切り替えて取り組もう。」
そう心に決めて前進していくのみである。
サンバをするのに人数が多いに越したことはない。
参加者を募るには全体を巻き込まなければと、石川さんに会うまでに多少の時間があったので何件か電話でアポイントをとる。
そのなかで動いた話が二件。
先ずは田園調布特別支援学校の教頭先生と電話でお話をした。
電話なので概要を説明。
話をした感じでは感触がよく、
取りまとめてるのが今仕事中で
夕方16時30分から17時30分の間に連絡を欲しいとの話しで今日は都合がつきにくいので明日電話をさせて頂く旨を伝え、
電話を切った。
明日話すのが楽しみである。
もう一点は、うめのきえん(育成会)の
相談支援専門員である渡辺さんとお話しした。
相談支援専門員とは障害者の専門員で、
介護で言うとケアマネージャーにあたる。
以前から仕事でお世話になっている方なので話しやすいのは間違いない。
渡辺さんに協力を願いたい。
いつもの仕事のお礼を伝えサンバの話しに入る。
話は聞いてくれ上にあげるのは可能だと言われたが温度差を感じる。
もちろん資料等見ていないから温度差があるのか分からないがこの温度差では
交渉も失敗するのは目に見えている。
私の算段では学校、育成会、幸陽会だけは絶対に落としてはいけない。
経験が物語っている。
真剣に話しを進めて行くなかで渡辺さんにも伝わったようだ。
思いの形をあるだけぶつけ真摯に受け止めて下さり明日面談をする事になった。
忙しいなか急遽時間を作ってくださり感謝である。
いつも思うが介護全般やられている方は
思いがある人が他事業に比べ多いと
思う。
元々ボランティアからスタートしてるのがきっかけで、日本人のよい習慣である助け合いの精神が残っているからであろう。
そうこうしているうちに石川さんとの時間が迫り待ち合わせの時間が迫る。
菅原が会社にいたので菅原も同席させようと一緒に現地に向かった。
菅原は石川さんとの面識がなかったのだが、私のお世話になっている人には、
今後も関わっていく人は積極的に紹介をするようにしている。
出来たら個人的に仲良くなってもらいたいと思う気持ちがあるからだ。
繋がりなくして人は成り立たないからだ。
私は色々な方に迷惑をかけ、沢山の償いを本来はしないといけないのだが、
今もこうして元気にやらせて頂いてるのは言うまでもなく周りの方々もサポートなくして今がないからだ。
これからもそうである。
話しを本題に戻すとしよう。
菅原と一緒に現地に着いた。
まだ約束の5分前。
先に着いて待ってようかと思ったのだが流石は石川さんだ。
部下の中里さんを連れて先に到着していた。
一連のご挨拶をして席に座り、記憶をたどり一部抜粋をしてサンバの下りをお伝えさせていただく。
金丸「先ずは資料を見てください。」
資料を見てる間一時の沈黙が続く。
これを商談では
『ゴールデンサイレンス』
と言うのだが私は沈黙が苦手である。
読み終わる前に話しかけてはいけないと分かっているのだが、また見てる最中に
声を発してしまう。
金丸「10営業所で5人の方々を出してもらいたい。そこを先ずは石川さんに協力をして欲しいんですよね。」
石川「んー。私の事業所は軽度の方が少なく金丸さんも知ってるご利用者さん1人しか思い浮かばないですよ。」
ここで私はかなり失敗をしている。
まだ読み途中の段階なのだ。
ただ石川さんには以前書かせてもらったが概要を説明していたのと、
理解力がある方なのでそのまま話しが出来ただけである。
本来なら焦っていると思われこれだけでもミスは回収出来ず商談が失敗に終わる事になる可能性は非常に高い。
今後は絶対にやってはいけないと心に決めた。
また本題からずれてしまった。
戻すことにしよう。
金丸「紅さんみたいに手広く障がいのご利用者様がいる事業所でも難しいのなら他の事業所もなかなか賛同は難しいですかね。」
嫌味で伝えたつもりはなかったが、
書いてみるとなかなか嫌味を伝えているのではないかと反省する。
石川「うちは特に難しい方が多いのではせさんずさんとか栗田さん(ラシクの実)さんなら呼べると思いますけどね。ラシクさんはグループホーム等やっているので呼べる子は多いと思いますよ。」
聞き方が不味かったのか話の口調ぶりで消極的な様子が伺える。
そして気付いたであろうか。
今日の石川さんは挨拶からにこやかに話し流暢に物事を伝えてくる。
今日はよく話す。
人見知りが直ったのだろうか。
ドラキーからドラキーマにレベルアップしている。
冗談はさておきまた本題に入るとしよう。
金丸「どうしたら石川さんとかは辛めそうですか。」
石川「ここに書いてある選抜以外で重い子でも後ろでワーワーやってたりサンバにならなくても良いのであれば絡むことは出来ると思いますよ。」
コンセプトからかなり遠退くのだが、
ここで言ってしまうと話の場が成り立たなくなるのと、先程石川さんから重たい子が多いとの情報があるので石川さんの中では最大の考慮をしてもらえたと思うのでありがたく聞き入れる事にした。
金丸「なるほど。分かりました。私達としましては週に一度土、日を目安に活動していきたいんです。石川さんもスタッフで入ることは難しいですか。」
石川「土、日は色々な方の支援で時間が空かないんですよ。決まった方の支援で毎週入るわけではないので。」
それはそうである。
私も支援に入るのだが、介護と違い
土、日は毎週同じ人ではない。
言い訳ではなく、本心なのも分かる。
上手く打開策が見つけられないまま時間が過ぎていく。
そのなかで菅原が仕事をしてくれた。
菅原「今ホームページ(吉野ヘルパーステーション)で皆さんにスタッフ紹介で生い立ちなど色々書いてもらってるです。
石川さんも書いてもらえませんか。ここを分岐点にホームページのアップ数が上がっていけば顔を売ることになり石川さんにもメリットがありますから。」
私は心の中で思った。
健太(菅原)は、はぐれメタルにどくばりをさして一撃で倒した程のタイミングと攻撃をしてくれた。
健太なんかごめんな。
今まで色々言ってしまったが頼れる男だったんだな。
初めて知ったよ...
ありがとう。
場が和み出したのは言うまでもない。
石川「私が書くと炎上しちゃうよ。」
菅原「炎上すると逆に皆見てもらえるから良いですね!」
言い過ぎである。
でも菅原の屈託のない笑顔が嫌味に捉えられないのだが場所によっては諸刃の剣であることは吉野と私は知っている。
ここは助け船を貰ったので、サンバの話の流れは一旦終えこの話しを乗ることにする。
金丸「では今月末までに送ってもらえますか。」
石川「分かりました。」
金丸「じゃあライン交換させてもらえますか。」
石川「はい。」
ここで普通はライン交換がスムーズに行われると誰もが思うであろう。
金丸「どうやってライン交換するんでしたっけ。」
自分でライン交換を提示したのにやり方が分からないとは残念な人物である。
石川「私もよく分かりません。」
お互いに残念である。
直ぐ様菅原と中里さんが対応してくれた。
菅原「二人だったらいつまでたっても交換できず話進められなかったですね。」
もっともである。
お互いに交換をして今月末までにホームページに記載する約束を取り付け、
概要が分かり次第出来ることは協力してくれる約束を取り付けた。
色々と菅原には今回助けてくれてありがとう。
並びに大手である紅の石川さんが真摯に話しを聞いて忙しい時間に1時間30分も費やしてくれたことに感謝しかない。
先程も述べたが人と人との繋がりによって日々学ぶせて頂いている。
これからも私の生きる糧である。